「よく笑う子は将来賢く育つ」――そんな言葉を耳にしたことはありませんか？
一見すると迷信のようにも思えますが、実は脳科学の研究によって、笑いと子どもの発達には密接な関わりがあることが分かっています。
今日は保健師の視点から、「なぜ笑顔が子どもの成長に良い影響を与えるのか」と「家庭でできる笑顔を増やす工夫」についてお伝えします。
子どもがよく笑うと脳にいい理由
笑顔はただ楽しいだけではなく、脳にとても良い刺激を与えます。
脳の中では、感情に関わる神経細胞が働き、前帯状皮質と呼ばれる部分が活発になることで自然に笑いが生まれます。
このとき「βエンドルフィン」という物質が分泌され、気持ちを安定させたり、幸福感を高めたりする効果があるのです。
つまり、笑顔が多い子は脳が健やかに刺激され、前向きな気持ちを育てやすいといえます。
子どもの笑顔を増やすためにできる4つの工夫
1. 親がよく笑うこと
子どもは身近な大人の表情を無意識にまねる「ミラーニューロン」の働きがあります。
親が笑顔で過ごすことで、自然と子どもも笑顔になりやすいのです。
できたことをしっかり褒めたり、日常の中でにこやかに接することが、脳の基盤を育てる力になります。
2. 前向きな言葉を増やす
言葉にも伝染力があります。特にネガティブな言葉は広がりやすいといわれているため、意識してポジティブな声かけを心がけましょう。
「大丈夫」「できるよ」といった言葉は、子どもの緊張を和らげ、安心感と笑顔を引き出します。
3. いろいろな経験をさせる
新しい体験や発見は、子どもの脳を活性化させます。
「やってみたい！」という気持ちを大切にして、できる範囲で挑戦させてあげましょう。
経験を通じて脳が刺激され、自然と笑顔が増え、前向きな力につながります。
4. 失敗を責めない
子どもは成長の過程で失敗を繰り返すものです。
そのときに叱るよりも「大丈夫だよ」「次はどうしようか」と受け止めてあげることで、失敗を恐れない安定した心を育むことができます。
ネガティブな言葉を減らすことも、子どもの笑顔を守る大切な工夫です。
まとめ
子どもの笑顔には、脳を育て、心を安定させる大きな力があります。
「よく笑う子は賢く育つ」というのは単なる言葉ではなく、科学的にも裏づけがあることなのです。
親が笑顔を見せたり、ポジティブな声かけをしたり、挑戦を応援したり…。そんな毎日の積み重ねが、子どもの笑顔と成長につながります。
笑顔あふれる日常を一緒に育んでいきましょう。
