「知育のために色々なおもちゃを与えた方がいいのでは?」
「ねだられるとつい買ってしまうけど、多すぎて大丈夫かな…」
小さなお子さんを育てていると、こんな悩みを抱える保護者の方は多いのではないでしょうか。
おもちゃは子どもの発達を助ける大切なツールですが、実は与えすぎることで逆効果になることもあります。今回は保健師の視点から、おもちゃの与えすぎによるデメリットと、適切な量の考え方について整理してみましょう。
おもちゃを与えすぎることで起こる3つのデメリット
1.物を大切にする気持ちが育ちにくい
次々に買い与えてしまうと「壊れてもまた買ってもらえる」と思いがちです。
その結果、おもちゃを大事にしなくなり、長く使う工夫や責任感が育ちにくくなります。
2.片付けの習慣が身につきにくい
数が多いと収納場所に困り、散らかった状態が常態化しやすくなります。
「自分で片付けられる範囲」に収めることが、整理整頓の力を育む第一歩です。
3.集中力がそだちにくい
選択肢が多すぎると、すぐに目移りして一つの遊びに集中できません。
少ないおもちゃでじっくり工夫しながら遊ぶことが、思考力や忍耐力を高めます。
おもちゃを全く与えないのもNG
一方で、おもちゃがゼロという環境も子どもの成長には不利です。
子ども用のおもちゃには、五感を刺激し、発達を促す工夫が詰まっています。
大切なのは「与えない」ことではなく「量を調整する」ことです。
研究でわかった「少ないおもちゃ」の効果
アメリカ・トレド大学の研究では、おもちゃの数が遊びの質に影響することが示されています。
1歳半~2歳半の幼児36人を対象に、おもちゃが4つだけの部屋と16個ある部屋で遊ばせたところ、少ない環境の子どもたちのほうが工夫を凝らし、集中して遊んでいたのです。
👉参考: The Influence of the Number of Toys on Toddlers’ Play
適正量の目安とは?
具体的な数に正解があるわけではありませんが、ひとつの基準は「子どもが自分で片付けられる量」です。
自分で管理できる範囲であれば、おもちゃへの愛着も湧き、物を大切にする心も育ちます。
まとめ
おもちゃは「多ければ良い」というものではありません。
適度な数に絞ることで、集中力や想像力、片付けの習慣といった大切な力が自然に育ちます。
ぜひご家庭でも、持っているおもちゃを見直して「子どもにとって心地よい量」を整えてみてくださいね。